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丸亀城では城内を案内する観光ボランティアガイドが活動しています。
この記事では、丸亀市文化財観光案内ボランティアガイドとしてデビューした田村陽子さんを紹介します。
※この記事は2025年9月21日のものです。

もくじ
なぜ観光ボランティアガイドを始めようと思ったのか
では、田村さんが観光ボランティアガイドになったきっかけを教えてください。
ボランティアに興味のなかった私
予想もしない一言でインタビューは始まりました。
田村さんはボランティアをしている人に対して自分の時間を削って何でここまでしてくれるんだろうと疑問に思っていました。

どうしてボランティアをしてるんですか?っていろんな人に聞きました。
みなさん「好きだから」「楽しいから」とフワーッとした返事しか返ってこなくて、逆にモヤモヤしちゃって。
そんな田村さんに転機が訪れます。
それは今の職場への転職です。
素手でトイレ掃除?!
田村さんの会社はボランティア活動をしていて、フードドライブや公共の場所へ清掃に行くことがあります。


公衆トイレを素手で洗うことがあって正直「マジか!」と思いました。
でも何回か繰り返していると、綺麗になったトイレを見て面白くなってきて。
最初はさせられていたことが気が付いたら喜びに変わってたんです。
田村さんが掃除したトイレを喜んでくれる人たちを見て、喜んでもらえることが嬉しいことに気づきました。

私にできることってないかなあ。
文化財観光案内ボランティアの募集
そんなとき、広報誌で丸亀市文化財観光案内ボランティア講座募集の記事を見つけます。

私、これ好きって思ったんです。
もともとお城や歴史が好きで、誰かに喜んでもらえるかもって思うと申し込んでたんです。
4回の講座では足りないと感じた田村さん。
「1年間勉強させてください。」と丸亀城観光ボランティアガイドの門をたたきます。

丸亀城観光ボランティアガイドの道へ
そして、1年間観光ボランティアガイドの先輩方に同行します。

先輩方は石垣や地質など幅広い知識を持っていて、引き出しが多いんですよ。
すごくおもしろくて勉強になりました。
丸亀城観光ガイドで気をつけていること
丸亀城の案内をしていて、気を付けていることはありますか?

知らないことは知らないと言わなければいけないと教わりました。
いっぱいいっぱいになって案内する人が何を聞きたいのか、どういうことを知りたいのかを見失わないよう余裕をもって接するようにしたいですね。
何を聞かれるかわからないので、毎日が勉強の日々。

なにより丸亀城に来てよかったと思ってもらえるようなおもてなしがしたいと田村さんは言います。
丸亀城観光ガイドをして嬉しかったこと
丸亀の文化財ニッカリ青江という刀剣を知っていますか?
「刀剣乱舞」というゲームから人気が出て、擬人化されたニッカリ青江はイケメンです。


イベントがあれば、国内外からたくさんの来場者が訪れます。

みなさん、ニッカリ青江だけでなく丸亀にも詳しいんです。


「丸亀ってどう思いますか?」ってきいてみたら、返ってきた答えが意外だったんですよ。
「ゆっくりした時間が流れる感じがして丸亀が好き」
「通町のお茶屋さんでお茶を買って帰るのが毎回楽しみなんです」
住んでいると当たり前で気づかない丸亀の良さを教えてもらったんです。
なかには毎年来ていたり、1週間滞在して毎日ニッカリ青江を見てる方もいるとか。


自分の住んでいる街を好きって言われるとすごく嬉しいですね。
丸亀城観光ガイドになって変わった私
以前感じていた疑問を尋ねられたら、ボランティアガイドになった今の田村さんはどんな答えを返しますか?

好きだから、楽しいから!です。
好きなことをして、みんなに喜んでもらえるのはお金には代えられない価値があると実感しています。
案内中の田村さんはとても楽しそうでした。

必見!丸亀城に来たら絶対見るべき3つの秘密スポット
実際、丸亀城を訪れた人たちは次のような感想が多いのではないでしょうか。
「この坂登るの!?」

「扇の勾配がきれいだった」

しかしこれだけじゃない!
田村さんがぜひ見てほしい丸亀城の見どころを3つ紹介します。
1.石垣マニア必見!80メートルの野面積み
丸亀城ではさまざまな石垣の積み方を見ることができます。

こちらは野面積みといって、自然の石をそのまま積み重ねていて、技術が必要な難しい石垣なんです。
なかでも搦手門から東側にある80メートルもの長さはとても珍しいので、ぜひ見てほしいです。

2.当時の最先端の耐震設備 ひうち梁
1596年に慶長伏見地震と呼ばれる地震がありました。
震度6相当の揺れであったと推測され、伏見城が倒壊した大地震です。
それを教訓に丸亀城にはひうち梁というものが備わっています。

丸亀城1階の天井部分に四隅に斜め方向にかかっている梁のことです。
今でも木造建築には欠かせないひうち梁ですが、お城では現存でしか見ることができない当時の最先端技術なんです。
3.今だけ!石垣復興中
2018年に丸亀城南西部の石垣が崩落しました。

現在復興中。

資料館の南にあるグラウンドでは、崩落した石垣や出土した貴重な文化財を近くで見ることができます。

石垣の大きさや、復興していく様子を見ることができるのは今だけ。

場所はこちらです。

今後の目標
田村さんの今後の目標について教えてください。

外国の観光客も年々増えています。
英語でご案内できるようになって、海外の方にも楽しんでもらいたいです。
さいごに
では最後にメッセージをお願いします。

実際丸亀城を訪れた方に小さいお城で残念と思われることが残念なんです。
小さいけど、当時のそのままを見ることができるってすごいんですよ。
観光ボランティアガイドだからわかる丸亀城のよさをお伝えします。
丸亀城にお越しの際には声をかけてくださいね。

田村さん、今回は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
田村さんのご活躍を楽しみにしています。
ボランティアガイドへのお問い合わせははこちらへどうぞ。
もともと私、ボランティアにまったく興味なかったんですよね。