丸亀市で茶道を体験したい!そんな方にお勧め「千家流茶道表讃会」

前回の記事で「表千家流茶道表讃会(おもてせんけりゅうさどうひょうさんかい)」の紹介をさせていただきました。ご興味のある方は👇をクリックしてくださいね。

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今回の記事では茶道未経験者の私が、先生のお自宅でお茶をいただいた体験談をお伝えしたいと思います。

茶道を体験したい

茶道は未経験筆者ですが、歴史が好きなこともあり、日本史の中で多くの権力者たちが茶道の魅力に心奪われていたと知ってから、興味を抱いていました。

織田信長や豊臣秀吉等の戦国武将の荒々しい生き方とは正反対に見える茶道が、なぜ彼らを惹きつけたのか。その理由を知りたくて、私も茶道を体験してみたいと考えていました。

そんな折、インタビュー時に脇先生から

「どうぞ今度は茶道を体験してくださいね。」とお誘いをいただき、「ぜひぜひ!」と二つ返事で、ご自宅を訪問させていただくことになったのです。

体験当日

しかし、いざ当日になると、緊張がジワジワと湧いてきました。

「本当に何もお点前できなくていいのかな?」

「服装は? 着物でなくてもいいと思うけど、どんな服で行けばいいの?」と、携帯で調べ始めました。

とりあえず体験なので、「清潔感のある服装、ロングスカートの方が足を崩しやすい」との情報を参考に、ワンピースとカーディガンを選びました。

先生から一つだけ持ってきてほしいものがあると言われたのは「白いソックス」。その意味が気になりつつ、それだけを持参して先生のお宅に伺いました。

ちなみに、後で先生にお聞きしたところ、白いソックスの意味は「心身ともに清潔にして茶室に入るため」だそうです。

さて、先生のご自宅に到着すると…

先生のご自宅到着

当日は9月の終わりとはいえ、まだまだ暑い日でした。

先生のご自宅に到着すると、美しい着物を着た先生が庭でお水を撒いている姿が目に入りました。これは、亭主が茶事でお客を招く際に、玄関を掃き清めて打ち水をし、「お待ち申しておりました」という誠意を表す行為だそうです。

脇先生のご自宅は100年を超える趣のある家屋で、大きな引き戸の玄関を入ると広い土間がありました。靴を脱いで「待合」と呼ばれる部屋に入りました。「待合」とは、茶室に入るまでの準備をする場所です。

待合にて

待合で、白いソックスに履き替えました。待合には掛け軸や生け花が飾られており、心地よい静けさに包まれています。

ここは身支度を整えるだけでなく、世俗から離れ、心を落ち着けて準備をする場所なのだと感じました。心が静まるにつれ、これから始まる体験への期待が高まる一方で、少し緊張もしてきました。

そんな私たちの様子を察してくださったのか、正客役(客の代表として亭主とお話しをする重要な役割)として同席してくれた冨田先生が、待ち時間に私たちの素人丸出しの質問にも丁寧に答えてくださいました。そのおかげで、気持ちが少し和らぎました。

冨田先生が「今日は脇先生がおこいちゃをご用意してくださっていますよ」とおっしゃったとき、私は思わず心の中で「え?茶道って紅茶も出るの?」と驚いてしまいました。よく聞き直してみると、「お濃茶(おこいちゃ)」だったのです。

茶道の抹茶には「お薄茶」と「お濃茶」の二種類があるそうです。

心の中で思ったことを口にしなくて本当に良かった!イングリッシュティーが出るなんてあり得ないのに、そんな勘違いをするなんてお恥ずかしい・・・

茶室でお抹茶をいただく

しばらくして茶室にご案内されました。

部屋への入り方や座り方など、さまざまな作法があると聞いていましたが、先生から「構えなくていいですよ」とお声をかけていただいたので、そのお言葉に甘え、普段通りに部屋に入りました。

茶室には、まだ亭主の脇先生はいません。最後に入ったお客様が戸を閉める音を合図に、脇先生が静かにお茶を点てるための道具を運んでこられます。

1,2畳のたたみに正客役の富田先生をはじめ、私たちが横に並んで座りました。

お茶菓子はお茶の前にいただきます

そして、お菓子入れが目の前に置かれました。

美味しそう!!「いただきます!」ともぐっと口にいれそうな卑しい気持ちを何とか抑え、冨田先生の所作を真似して、お菓子を静かに自分の前に取りました。

お菓子を取るのに使ったお箸は、紙の端っこで拭きます。

お菓子をいただく際に必要な道具は、下記の物です。今回は体験でしたので先生からお借りしました。

  • 懐紙(かいし:お菓子を乗せるもの)
  • 菓子切り(お菓子を食べやすく切るもの)

自分のお菓子を取った後は、隣の方の前にそっと置きます。

いよいよお濃茶登場です

私たちがもぐもぐと美味しい茶菓子を楽しんでいる間、先生は黙々とお濃茶の準備を進めていました。

お濃茶は格式高い茶事で飲まれ、多量の抹茶を少ないお湯で溶かすため点てる」ではなく「練ると言うそうです。そして、お濃茶を美味しく練るのは難しいそうです。

お茶は、お湯の温度も重要なポイントです。お湯は、この写真の窯で沸かしてくれました。炭でお湯を沸かすんですね。何も知らない私は、何もかもが驚きの連続です。

それにしても、畳の中に囲炉裏のようなものがあり、お湯を沸かしていたような……。

先生に聞いたところ、窯には「風炉」と「炉」の2種類あるそうです。畳の上は「風炉」(今回の窯)といい薫風香る5月~10月まで使い、畳の中は「炉」といい、寒さを感じる11月から4月まで使うそうです。

この写真は、お湯を沸かすときに使うに道具ですが、さてこれは何だと思いますか?

5~10センチくらいの大きさ

実は、これは「香木入れ」です。中には「香木(こうぼく)」と呼ばれるお香が入っています。

炭のそばに香木を置き、その香りが部屋全体に広がることで、心地よい空間を演出しているのです。こうした細やかな気配りも茶道のおもてなしとは、まったく知りませんでした!

そして、お濃茶の準備が整うと、正客の富田先生がお茶を取りに行きます。

茶器を拝見して、お濃茶をいただきます。

「お、美味しい!」

とても濃いお茶だと聞いていたので、薬のように苦いのかと身構えていましたが、ほんのりとした苦味の中にまろやかな抹茶の甘さが感じられ、とても美味しかったです。

お濃茶は、飲み過ぎると夜眠れなくなることもあるそうです。

また、お濃茶は一つの茶碗をみんなで回しながら飲むのが特徴です。飲んだ後は、自分の口をつけた部分を、懐紙で拭き取ります。

ところで、どうしてお濃茶は回し飲みするのでしょうか?

その理由の一つとして、お濃茶は練り上げるのに手間と時間がかかるためもあるようですが、それだけではなく、茶を同じ器から飲むことで、客同士の心を一つにするという意味も込められているようです。

お濃茶の下に敷く布(だし帛紗ふくさも綺麗です。

私たちがお濃茶をいただいている間、脇先生と冨田先生は茶器や茶銘についてお話しされていました。

茶事の最中は会話をしてはいけないと思っていましたが、そうではなかったようです。正客は代表して、亭主にいろいろお尋ねしたり会話をしてもいいそうです。

お二人の楽しそうな会話が印象的でした。横で会話を聞いていると、その豊富な知識の深さにただただ感心させられました。

お薄茶と一緒に、またお菓子もいただきました

次に、お薄茶を点ててくださいました。

お薄茶は、一人ひとり一服づついただきます。

所作が美しい。

先生がお薄茶を点ててくれている間に、干し菓子をいただきました。

見てください、宝石みたい!

お茶のお菓子ってどうしてこんなに美味しいんでしょうか?

お薄茶の準備ができたようです。

まずは、正客の富田先生からお茶を取りにいきます。

季節のお花、萩の模様がはいった上品な茶碗です。

お薄茶は、お濃茶よりさらっとしていて何杯でも飲めそうです。

こちらも美味しい!

ひとりづつ提供されるので、少しリラックスした雰囲気になりました。

お道具拝見

薄茶を飲み終えると、お道具の拝見をさせていただきました。

下の写真左から、

  • お茶入れ濃茶を入れる容器)
  • 茶杓ちゃしゃく(お茶をすくうスプーンみたいなもの)
  • 仕覆しふく(茶入れ袋)
  • なつめ(薄茶を入れる容器)

お茶入れの蓋の裏に金や銀が貼られているのは、万一抹茶の中に毒が入っていた場合に発見できるためという説もあるそうです。

随所に、茶道の中に歴史的な背景が垣間見れワクワクします。

先生方のお話も楽しく、「茶歌舞伎」(お茶を飲んで産地や銘柄を当てる遊び)というものを初めて知りました。まるでお酒の「利き酒」のような楽しみ方ができると分かり、とても面白かったです。

体験後の感想

最初から「足は崩してね」とおっしゃってくださったので、お言葉に甘えて崩して座っていました。そのおかげで足が痺れず、リラックスして楽しむことができました。

そう、リラックスできたのです。

これは、茶道体験で予想していなかった感想でした。

茶道に対して「礼儀作法」というイメージを持っていましたが、それがガラッと変わりました。

なぜでしょうか?

確かに、茶道は作法を尊び、古くから受け継がれてきた伝統文化です。そのため、「疲れそう」という印象を抱いていました。しかし、体験を終えた後には、心地よい高揚感と心の緩和を感じました。

茶室の雰囲気、茶器の手触り、湯を注ぐ音、抹茶の香り、そしてお茶の味。実際に体験しないと分からないこの感覚は、戦国武将が茶道に取りつかれた理由の一つかもしれません。

最近では、外国の方々にも「茶道」が人気で、「ティーセレモニー」という言葉も生まれているようです。

脇先生のお子様が海外で仕事をされていて、日本を訪れた際に脇先生のご自宅でお茶を振る舞ったそうです。海外の方々もとても喜んでくださり、茶道をしていて良かったと感じたとのことです。

言葉は通じなくても、心地よく感じる気持ちは世界共通なのかもしれませんね。

茶道を通じて、心をリフレッシュするのもよし、日本文化を再認識するもよし、皆さんいろんな楽しみ方ができると思います。

特に未経験者のかたに、ぜひこの感覚を味わっていただきたいです!

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丸亀市に引越してきて数年。 知れば知るほど、面白い町です。