日本を代表する伝統文化「茶道」。
“茶道を学ぶ”って、教養が身につきそうだしカッコイイと思います。
でも今までご縁がなくて茶道について知る機会がありませんでした。
しかし今回「丸亀市WEBライター塾」で先生方にインタビューをする機会をいただきました。
「気になるけれどどういうものかわからない」
「なんだか難しそう」
そんなイメージをお持ちの方にもぜひ読んでもらいたい内容となっています。
丸亀市文化協会に加盟する「茶道表千家流 」の、脇美代子先生と冨田美穂先生にお話を伺いました。
この記事にはこんなことが書かれています
- 丸亀市で活動する茶道表千家流「表讃会」について
- お稽古の概要
- 茶道の歴史についてもちょこっと紹介
もくじ
表讃会の情報
団体名 | 茶道表千家流 表讃会 |
設立年 | 1950年ごろ(推定) |
生徒数 | [脇先生] ご自宅:6名 コミュニティセンター:2名 西中学校:30名 [冨田先生] ご自宅:10名 コミュニティセンター:8名 丸亀高校: 5名 |
所在地 | [脇先生] 丸亀市金倉町1315 [冨田先生] 丸亀市本町81-1 |
連絡先 | [脇先生] 0877-23-1862 (留守の際は留守番電話にお願いします) [冨田先生] 0877-22-5848 |
代表者 | 脇美代子 先生 冨田美穂 先生 |
主な活動場所 | 自宅お稽古場、城西コミュニティセンター、城坤コミュニティセンター、市内中学・高校 |
SNS | 脇先生のInstagram |
参加費(年間) | [先生のご自宅] 月謝4000円 月2回のお稽古 [コミュニティセンター] 城西・城坤ともに 月謝2000円 城坤コミュニティセンター:お茶・菓子代1000円、光熱費500円 |
主催イベント | 春秋茶会、丸亀お城まつり、丸亀高校斯文祭(冨田先生) |
活動日と時間
脇先生 | 冨田先生 | |
先生のご自宅 | 月に2回 第1・第3土曜日 13:00~ (このうちの2~3時間、都合の良いときに) | 月に2回 火曜日 午前中 土曜日 午前中 土・日・祝 18:00~(2~3時間ほど) ※生徒さんと日時を相談 |
コミュニティセンター | 城坤コニュミティセンターにて 第1・第3水曜日 13:00~ | 城西コミュニティセンターにて 第1・第3水曜日 10:00~ ※変更ありの場合もあるので前もってご連絡ください |
中学校・高校 | 西中学校 火曜日16:00~ (学校行事に基づく) | 丸亀高等学校茶道部 金曜日 16:00~ (茶道部のスケジュールに基づく) |
表讃会ではこんな活動をしています
主に先生のご自宅でのお稽古、市内コミュニティセンターでのお稽古、市内の中学・高校の生徒さんのお稽古をされています。
先生のご自宅でのお稽古
先生のご自宅にある茶室でのお稽古です。
主に大人の方が学ばれていますが、中には学生さんもいらっしゃるそうです。
皆さん明るく楽しい雰囲気で活動されているそうですよ。和やかな雰囲気が伝わってきますね。
表に書いた通り、指定の時間内でお稽古の時間を相談できるのがうれしいですね。
コミュニティセンターでのお稽古
冨田先生は城西コミュニティセンターにて「城西抹茶クラブ」という教室を、脇先生は城坤コミュニティセンターで教室をなさっています。
慣れ親しんだ地域の交流場所で習えるので、お近くのかたは通いやすいですね。
市内の中学校・高校でのお稽古
脇先生は西中学校の生徒さん、冨田先生は丸亀高校茶道部の生徒さんに教えていらっしゃいます。
先生から教わる他に、上達してきた先輩が後輩に教えることで双方に学びがあり、いっそう上達するのだとか。
学校でのお稽古を通して「もっと学びたい!」と思った生徒さんが先生のご自宅の教室に通うことも。
お祭り・季節のイベント
丸亀市のお祭り「丸亀お城まつり」や、丸亀市生涯学習センターなどで定期的にお茶会を開いています。
一般参加が可能で、お茶券の当日購入もでき、初心者のかたでも気軽に立ち寄れるイベントとなっています。
お稽古の内容
茶道には覚えることがたくさんあります。
とはいえ、お稽古の内容を最初から全て覚える必要はありません。
割り稽古という形で帛紗さばきや茶筅通しなど、一連の所作を部分ごとに分けて教えてくださるそうです。
一つずつ覚えていけばいいので始めたばかりでも安心して取り組めますね。
表千家って何ですか? ~茶道の歴史~
ここまで読んで
「表千家、裏千家とか茶道の流派だと聞くけどなんのこと?」
と疑問に思った方のために、ここで茶道の歴史について軽く触れておきます。
お茶が日本に伝わる
日本にお茶が伝わったのは奈良時代から平安時代、唐へ渡った僧侶が持ち帰ったものが始まりといわれています。
当初は薬として用いられ、僧侶の修行中の眠気覚ましとして重宝されました。
わび茶の登場
室町時代中期には僧侶「村田珠光」によって簡素さに美学を求めたスタイル“わび茶”が創始され、堺の商人「武野紹鷗」によってさらに磨かれていきます。
これは当時の唐物(中国伝来の高価な茶道具)を尊ぶ風潮ではなく、質素で飾り気のないものの中に美を見出す一種の哲学でした。
そして安土桃山時代になって珠光、紹鷗の流れをくむ「千利休」により完成されたわび茶は、禅宗と深く結びついた「わび・さび」の精神で、名だたる戦国武将たちの心を掴んでいったのです。
織田信長が家来に茶器を褒美として与えていたことは有名ですね。
また、豊臣秀吉は利休を現代でいうアドバイザーやコンサルタントのように取り立てていました。
三千家
現在、茶道には数百(!)の流派があるといわれていますが、代表的な流派があり、三千家と呼ばれています。
三千家とは千利休の孫・千宗旦の子供たちが興した表千家・裏千家・武者小路千家の三つの流派のこと。
表讃会が属する表千家は千宗旦の三男である千宗左が創始しました。
現在の家元は千利休から数えて15代目になるとか!
また、流派によって作法やお茶の点て方に若干の違いがあります。
「茶の心」を知ってほしい
歴史を少し見てきたところで、改めて茶道の魅力について伺っていきましょう。
茶道で身につくもの
茶道において作法は大切なもののうちの一つですが、それだけではありません。
冨田先生がおっしゃっていたのですが、茶道を学ばれるかたが「段取りを覚えておしまい」になると
「茶道の本当に楽しいところを伝えきれてなかったのかなぁ…」と思うそうです。
茶道ではただ決められた動作をトレースするということではなく、“空間を総合的に演出する”、“四季折々のものを愛で、誠心誠意おもてなしをする”、ということを重んじています。
また、知識の収集だけではなく、「茶室で何年過ごしたか」が大事だとのこと。
いかにその環境に身を置いて体感してきたかによって身につくものがあるのですね。
茶道を通じて礼節や美しい所作を身に着けることはもちろん、豊かな感性を養うことができます。
茶道をマスターするには覚えるべき知識や所作がたくさんありそうですね。
しかし身構えずまずは雰囲気だけでも味わうのがおすすめです。
初心者大歓迎というのはうれしいところですね。
やってみたい!と思ったら
先生のお話を聞いて、初心者でも気軽に始めて大丈夫ということが分かりました。
もしこれを読んで茶道に触れてみたくなったなら、表讃会が主催するお茶会イベントに行くのはどうですか?
表讃会では定期的にお茶会を行っています。もちろん一般初心者の方も参加OK!
ここで初心者の私にある疑問が…。
「もしかしてお茶会には和服で行かないといけないのかな?」と思っていたので、どんな格好で行ったらいいか聞いてみました。
なんと普段着でいいそうです。
帛紗や懐紙などの道具があればベターですが、お問い合わせの際に聞いてみましょう。
参加してみたい方はお電話でお問い合わせを。
年間スケジュール
【5月】お城まつり
お城まつりでのお茶会。なんと第一回のお城まつりから出られているそうです!2024年時点で75年以上の歴史があることに…!
由緒ある会なのですね。
また、丸亀お城まつりでは表千家・裏千家・武者小路千家が順番にお茶会を行っています。
【9月】丸亀高校 斯文祭
丸亀高校の文化祭「斯文祭」で茶道部の生徒さんがお点前を披露するお茶会です。
春秋茶会
丸亀市生涯学習センターで開催されています。どなたでも参加できます。
お茶券を脇先生から個人購入または当日に受付で購入となります。お値段は800円です。初心者歓迎とのこと。気軽に茶道を体験するチャンスです。
毎年決まった月開催ではありませんが、次回は2025年1月19日に開催されますので、ご興味のある方はぜひ。※2024年9月現在の情報
まとめ
今回、表讃会の先生方にインタビューをするまでは、茶道の印象は格式の高いセレモニーという感じでした。
確かに儀礼・マナーを覚えることは非常に大事ではありますが、それだけではない茶道の一面を知る事ができました。
受け継がれてきた日本の総合芸術
習慣としての喫茶にとどまらず、受け継がれてきた文化「茶道」。
時代の大きな変化に伴い、進化を続けてきたおかげで今では海外にもよく知られた文化の一つとなりました。
茶道は、茶を介したコミュニケーション・アート・そして禅的精神を表現する、日本の総合芸術だと感じられました。
奥が深い茶道の魅力の、ほんの一かけらが見えたように思います。