丸亀城 現地ガイドが教える!日本一と恋愛運アップの最強ルート

執筆者:はるかぜ

香川県丸亀市にそびえたつ丸亀城。

全国で12しかない現存天守のひとつで、日本の百名城にも選ばれています。

大手門二の門からの天守は撮影スポットとして人気

その魅力は3つの日本一にあります。

  • 日本一小さい木造天守
  • 日本一の高さの石垣
  • 日本一深い井戸

しかしそれだけじゃないんです!

実は、丸亀城には恋愛運がアップするパワースポットや、当時の最先端技術が詰まった秘密の場所が数多く隠されています。

今回は丸亀城の現地ガイドさんが絶対見てほしい丸亀城の見どころと一緒に丸亀城の魅力をご紹介します。

初めて訪れる方は迷わず、リピーターでも新しい発見があるかもしれませんよ。

※この記事は2025年9月21日のものです。

お話を伺ったボランティアガイドの田村さん

丸亀城の見どころルート|初めてでも楽しめる回り方

では大手二の門をくぐり、いざ城内へ。

大手二の門からの天守

「丸亀城狭間」は全国でも珍しい引き戸付き

大手二の門をくぐる前に、門の横を見てください。

三角形の小窓があるのがわかりますか?

こちらはむかって左側
こちらはむかって右側

二の門をくぐり、中から外を見たところです。

土壁に近づいてみましょう。

この三角の窓は「狭間さま」といって、日本の城の天守や壁面、塀に開けられています。

戦の際にここから弓矢や鉄砲で攻撃します。

丸亀城大手門の狭間には引き戸がついていて、全国でも珍しいんです。

田村さんコメント:
「現存しているものに一般の方が触れることができるのも、丸亀城ならではの貴重な体験になりますよ。」

丸亀城「虎口」で恋愛運アップ?「幸運のハート石」と「猪の目」探し

丸亀城大手二の門をくぐると、四方を囲まれた場所があります。

ここは「虎口」と呼ばれ、正面玄関にあたります。

正面の石垣には周囲より大きい石が二つ並んでいます。

「鏡石」と呼ばれるこの石は、入城する人への威圧感や権威を示しています

左を女石、右を男石

右の男石の近くに近づいてみましょう。

ハートの形をした石があります。

赤い部分が「幸運のハート石」です(赤い部分は私が見やすいように色つけしました)

これは「幸運のハート石」と呼ばれ、この石を触ると良縁のご利益があるのだとか♡

そして虎口にはもう一つハートがあるんです!

鏡石を右に進んだ、こちらの丸亀城一の門にあるんです。

一の門をくぐったら振り返ってみてください。

扉の緑色の部分に近づいてよ~く見てください。

とても小さくてかわいいハートです

約1cmほどのハートの形にくりぬかれた部分があります。

田村さんコメント:
「これは猪目いのめと呼ばれ、イノシシの目をもとにした日本古来からのデザインで、魔よけや福を招く意味があります。」

小さなハート、ぜひ探してみてください。

「丸亀城一の門」から聞こえる正午の太鼓 国指定重要文化財も無料公開中 

そして、丸亀城一の門には2階部分があり、見学することができます。

写真中央の上にある二つの小窓が2階部分です

一の門は入場無料で一般開放されていて、自由に見学できます。

丸亀城一の門は1957年に国の重要文化財に指定されました。

江戸時代には太鼓を叩いて時刻を知らせていたので「太鼓門」とも呼ばれています。

太鼓で時を知らせていたので「太鼓門」とも呼ばれています

田村さんコメント:
大手一の門と土壁と天守が残っているのは全国で丸亀城、高知城、弘前城の3つ今でも太鼓をならしているのは丸亀城だけなんです。」

毎日正午(九つ刻)には9回太鼓をならしています。

江戸時代と変わらない太鼓の音に、時の流れを感じてみませんか。

丸亀城「見返り坂」”この坂、上るん?!”と誰もが言う坂

では、丸亀城の天守に向かいましょう。

天守へは、この見返り坂を上ります。

「この坂、上るん?!」

見返り坂の下でいると、訪れたみなさんが同じことを言うんです。

当時の武将も言葉には出なくても、心の声は同じだったのではないでしょうか。

みなさん、いってらっしゃ~い

天守まではゆっくりあがって15分~20分くらいです。

せっかく丸亀城に来たからにはぜひこの坂を上ってみてください。

上から見た見返り坂

丸亀城「扇の勾配」が見せる日本一の曲線美

見返り坂を上ると、丸亀城で有名な扇の勾配があります。

石垣の名城と呼ばれる丸亀城の定番スポットです。

ライトアップされた扇の勾配

滑らかに積み上げられた曲線美はまさに芸術作品でしょう。

ここまで持ってくるのも大変なのに、この曲線をどんなふうに作ったのか、気になりますね。

「丸亀城二の丸」は異世界への入口?日本一深い井戸の伝説 

三の丸を過ぎると、いよいよ丸亀城二の丸です。

丸亀城二の丸には日本一深いといわれる井戸があります。

水深約30メートル、深さは約65メートルと言われています。

井戸を覗くと今にも吸い込まれそうな暗い世界が。

あまりの恐ろしさに写真を撮る手も震えます。

そしてここには地元に伝わる2つの恐ろしい逸話があるのです。

羽坂重三郎殺害事件

丸亀城築城に貢献した石工に羽坂重三郎という男がいました。

殿様は完成した石垣を見て、

「この石垣を登れる者はいないだろう」と。

それを聞いた重三郎は

「私なら鉄の棒を使って石垣を登れます」と登ってしまいました。

殿様は危機感を抱きます。

「こいつが敵に寝返ったら丸亀城が危険だ」

そして井戸に誘い込み上から石を落として殺害したというお話です。

丸亀城人柱伝説

丸亀城築城の際に、人柱をたてようということになりました。

雨の降る夕暮れ。

丸亀城の周辺で豆腐売りの男が歩いていました。

男は捕らえられ人柱として生き埋めにされてしまいました。

以来、雨の日には「トーフ、トーフ」という鳴き声が聞こえるとか。

丸亀城「刻印」探し 江戸時代からのメッセージ 

二の丸を過ぎると天守はすぐそこです。

天守に入る前に石垣を見ながら宝探しはいかがですか?

丸亀城の石垣にはたくさんの刻印と呼ばれる様々な印を見ることができます。

その数、18種類およそ180個!

刻印は次のように考えられています。

  • 石切り場を担当した大名の印
  • 石切り場の場所
  • 石切り場の担当

ところどころに「▲」や「井」などの印があります。

田村さんコメント:
「少しわかりにくいですが、実は天守の入口にもあるんです。」

半分だけ見える刻印(赤い部分は私がわかりやすいように記入しました)

天守入口のスローブを作る際に隠れてしまいましたが、半分だけ見えています。

天守にはあと2か所あります。

ヒント:天守の南側の壁(赤い部分は私がわかりやすいように記入しました)
ヒント:天守東側の脇道(赤い部分は私がわかりやすいように記入しました)

丸亀城の刻印は天守だけでなく、さまざまな場所にあります。

石垣を眺めながら、いろいろな刻印をさがしてみてください。

丸亀城「ひうち梁」は今も残る当時最先端の耐震設備

ここからは天守の中をご案内します。

丸亀城天守にはひうち梁というものが備わっています。

1階と2階の天井部分の四隅に斜め方向にかかっている梁のことです。

こちらが2階にあるひうち梁です。

ひうち梁が採用されたきっかけは1596年の慶長伏見地震と呼ばれる大地震です。

震度6相当の揺れであったと推測され、伏見城が倒壊したのを教訓に丸亀城ではひうち梁が採用されました。

田村さんコメント:
「今でも木造建築には欠かせないひうち梁ですが、お城では現存でしか見ることができない当時の最先端技術なんです。」

以後、南海大地震などを乗り越え、今も天守が当時の姿のまま残っているのはひうち梁のおかげですね。

天守3階天井に飾られた「江戸時代のものさし(復元)」

3階へと続く階段を上がったら天井を見上げてみてください。

瀬戸内海が見える窓側の梁の上に、他に比べて細くて長い棒があります。

これは昭和23年の解体の際に、築城当時の長さの単位に合わせて作られたものさしで、ひっそりと飾られています。

この数字が単位でしょうか。

昭和弐拾四八月吉日の文字があります。

田村さんコメント:
「当時のものではありませんが江戸時代の基準を再現した貴重なものさしを近くで見ることができます。」

石垣マニア必見!搦手門そばの80メートル「野面積み」

丸亀城ではさまざまな石垣の積み方を見ることができます。

三の丸から搦手門に向かって南側へ降りていきます。

搦手門を左に曲がると石が積み上げられた場所があります。

野面積み

こちらは野面のづら積みといって、自然の石をそのまま積み重ねていて、技術が必要な難しい石垣なんです。

田村さんコメント:
「なかでも搦手門からめてもんから東側にある80メートルもの長さの野面積みはとても珍しいので、ぜひ見てほしいです。」

赤いマーキングしたあたりです

【2025年最新版】復興工事中の今だけ見られる丸亀城の姿

2018年に丸亀城南西部の石垣が崩落しました。

崩落直後の石垣 2018年10月30日撮影

現在復興中。

完成目標は令和10年3月末の予定だそうです。

2025年9月21日撮影

資料館の南にあるグラウンドでは、崩落した石垣や出土した貴重な文化財を近くで見ることができます。

石垣崩落の際に被害者がいなかったのはこのおかげ?

こんな大きな石をどうやって積み上げたんでしょうか。

答えはPR館にあります

田村さんコメント:
「石垣の大きさや、復興していく様子を見ることができるのは今だけです。」

場所はこちらです。

赤いマーキングした場所がグラウンドです

グラウンドのそばには丸亀城石垣崩落復旧整備事業PR館(石垣復旧PR館)もあります。

復旧の過程を詳しく知ることができますので、よかったらお立ち寄りください。

まとめ

丸亀城は小さいけれど、大きな魅力が詰まっているお城です。

当時の技術をそのまま見たり、触れることができることが、丸亀城ならではの楽しみ方ではないでしょうか。

当時は限られた人しか入れなかったこの場所に、現代の私たちは誰でも入ることができるんですよ。

丸亀城天守からの景色

穏やかな瀬戸内海や遠くに見える中国地方を見ながら、丸亀城の主はどんなことを想っていたのでしょうね。

AIで作成した画像です

また、丸亀城には日曜日の午前中には無料のボランティアガイドもいて、大手門から入るとすぐの案内板の前に待機しています。

この日は案内中のため不在でした
丸亀城の撮影スポットも教えてもらえます

丸亀城の魅力はもちろん、ガイドだから知るとっておきの話が聞けるかもしれませんよ。

香川県にお越しの際には、ぜひ丸亀城に遊びに来てくださいね。

丸亀城の詳細

天守観覧時間午前9時〜午後4時30分
(入城は午後4時まで)
休館日なし
観覧料大人:400円
小人(中学生以下):無料
団体(大人・小人合わせて20人以上):1人につき上記の金額の2割引の額

以下のいずれかに該当する方は、無料です。*2
丸亀市に住所を有する65歳以上の方
心身障がい者(児)とその介護者

中津万象園との共通券:900円(現金のみ)
・丸亀城天守内受付カウンター
・中津万象園受付カウンター
お支払い方法クレジットカード
電子マネー(交通系)
QRコード
お問い合わせ先一般財団法人 丸亀市観光協会(指定管理者)
Tel:0877-85-5852
Mail:marugamekankou@cello.ocn.ne.jp

駐車場

駐車場はこちらをご利用ください。

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