丸亀に来たなら中津万象園をゆっくり散策してみませんか/香川県丸亀市

丸亀といえば丸亀城と思われるでしょうが、お城から3キロほど北西の海沿いにある大名庭園の中津万象園にも是非来てみてください。ここには丸亀うちわミュージアム(無料)もあり、丸亀を感じられる場所ですよ。

まず中津万象園とは京極二代目藩主高豊侯により丸亀藩中津別館として築庭された大名庭園です。静かで鳥のさえずりを聞きながら散策すると落ち着きます。そして名勝ならではの運が良ければ結婚式の前撮りの方もいて幸せのおすそわけをいただくこともあります。

入り口にて高豊侯に迎えられ、江戸時代の丸亀城の天守閣の模型の展示をみてさぁ入園しましょう。

江戸時代の丸亀城はこんな感じだったのでしょう。

庭園入園料(希望者は丸亀美術館入観料も)をまず払って入園です。大名庭園の維持管理には経費がかかるのです。常駐の庭師さんが継続して手入れをしてくださっているおかげで、いつ行っても整備されています。なお丸亀市民は入園料が半額なのが嬉しいところです。

散歩コース概要

では散歩コースに添って出発しましょう。ゆったり池の周りを散策すると距離は1キロくらいなので時間の目安は30分から1時間弱かと思います。(なお下図は園内にある案内板なので現在位置が左にありますが、入り口は右下ですのそこより黒矢印にそって周ります)

なぜこの場所に大名庭園が作られたのでしょうか

入ってすぐのところにこの中津という場所がどういう処なのか解る句碑があります。

千三百年前に柿本人麻呂が沙弥島より見た讃岐の国の風光明媚を万葉集に詠んでいて、その船出の場所が中乃水門つまりこの中津付近であったことが書かれています。

池泉回遊式の庭園の池の周りをめぐってみましょう

庭園は京極家先祖の地ゆかりの近江八景になぞらえて作られた池泉回遊式の庭園で、松と池と文化的建造物の調和が心地良いです。途中ベンチで休憩しつつゆっくりと池の周りを散策します。

案内板に従ってまず全体を見晴らせる邀月橋(ようげつばし)にいたる

橋を渡って水蓮橋手前より邀月橋を望む

松の種類をいろいろ見るのも楽しい

万象園には千本の青松が植わっていて、有名な大傘松以外にも庭園中央の藤棚近辺からゴヨウマツ、美松といろいろな松があります。

  • 三笠宮殿下お手植えのゴヨウマツ
  • 美松(扇松)

美松(扇松)というらしく幹の広がりが特徴的です。

  • 大傘松(千代の傘松

これが有名な大傘松です。日本の名松百選の1つにも選定されていて、樹齢630余年といわれる一本の松を、約300年の歳月をかけて直径15mの傘型に仕立てたのも常駐庭師さんのきめ細やかな手入れのたまものと関心しかありません。

傘松の幹はこんなに立派な幹です。

大傘松の横には「中津の御茶所」とも呼ばれた所以の母屋(茶室)や観潮楼などが建っています。

園内には母屋(茶室)と観潮楼(現存日本最古の煎茶室)と松帆亭などお殿様はお茶を楽しまれたので茶席が3カ所もあります。

百本鳥居

少し池から離れた南側にある百本鳥居は竹林に朱の鳥居が映えます。

さあ池を半周してきましたよ。

石投げ地蔵で願掛け

石投げ地蔵でお願い事をするのも楽しいです。

さて庭園の中の島をめぐってみましょう。池には、近江八景になぞらえて、帆(矢橋帰帆)・雁(堅田落雁)・雪(比良暮雪)・雨(唐崎夜雨)・鐘(三井晩鐘)・晴嵐(粟津晴嵐)・月(石山秋月)・夕映(瀬田夕照)と銘した8つの島が配されています。まずは夕映をこえて月島へ

月島より母屋観潮楼を望むのもいい感じでしょ。

散策の途中自然を季節を感じる

途中季節の花や鳥との出会いが何とも嬉しい。

季節毎の花が咲き、鳥がさえずり、池の鯉が私に?鳥に?驚いてジャンプすることもあります。この自然との触れ合いもお殿様も楽しまれたのではと思いをはせます。

島巡りを楽しんだら、もう一軒の茶室 松帆亭丸亀うちわミュージアム丸亀美術館(陶芸館)のところにきて、万象園ひと巡りの散策終了です。ぜひ一度散策してみてください。

庭園内の建造物

丸亀美術館(絵画館・陶芸館) 有料

有料ですが入り口近くの池に面して丸亀美術館(絵画館)はあります。また丸亀美術館(陶芸館)は別館であります。絵画館のほうでは常設展と企画展があり、疲れない程よい広さが私は好きです。

下の図は2023年9月16日からの丸亀美術館の企画展「木版画展 門脇俊一×武田三郎」のポスターに使われていたうちわの絵です

丸亀うちわミュージアム 無料

無料の丸亀うちわミュージアムも庭園側から入観できます。

令和4年に丸亀港より移転しました。丸亀うちわの歴史を知ることができ、伝統工芸士実演、製作体験、お土産も丸亀うちわギャラリーにて販売しています。

観潮楼(現存日本最古の煎茶室)

観潮楼は現在は内部非公開で外観だけですが、以前は以下の図のように煎茶を楽しんでいたようです。

母屋(茶室)

母屋(茶室)は庭からだけでなく、池をわたっても入室されていたようです。なので池からの階段がありました。(写真中央に階段があります)

日曜日などには呈茶席が設けられるようです。歴史的建造物の中で大傘松をみながら一服のお茶をいただく。まさにお殿様気分?

松帆亭

松帆亭は母屋や観潮楼と池の反対側の海岸側にあるお茶室です。しかし私は外観しか見られてません。機会があれば茶席で一服頂きたいですね。

お食事処(懐風亭)にてゆったり庭園鑑賞

なお食事処(懐風亭)では庭園を見ながらお食事を楽しむことも可能です。庭園を散策することが難しい足の不自由な方でもガラス越しに美しい景観をお楽しみいただけます。そしてお食事処から見るだけならば庭園入園料入らずです。

万象園のSDGsのとりくみ

万象園のSDGsの取り組みとして松の木の多い万象園では剪定後の大量の松葉が防虫に役立つことからレモン園の防虫用に有効利用してもらっているとのことです。

施設概要・入園料

施設概要
  • 場所 丸亀市中津町25-1
  • ℡ (0877)23-6326
  • 開園時間 9:30~16:30 お食事処(懐風亭)は水曜日休
  • 駐車場 入口横数台と大型バス対応の広い無料駐車場有
    • 入口近くの駐車場は数台しか駐められないので、健脚な方は道の反対側の広い駐車場へ駐めるといいです
  • 詳細はホームページ http://www.bansyouen.com/
入園料・入館料
大人小人
庭園入園料
丸亀市民は右表示の半額
700円300円
丸亀市美術館入館料500円200円
セットチケット(庭園散策+丸亀美術館入館)1,000円500円
なお特別展開催期間中はその都度別途料金となります

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