高松で学びを届ける――しろねこさんが語る西洋美術の魅力

しろねこ

執筆者:はな@旅

学びを追い続ける、その姿に惹かれて

高松で美術の講師として活動を続けているしろねこさん。
フランスで美術史を学んだ経験を軸に、今も新しいテーマを探究しながら地域に学びの場を広げています。
研究や学びを積み重ねる中で自然に形づくられてきた現在の活動。その姿はとても生き生きとしていて、私自身も強く惹きつけられました。

フランスでの研究からつながる今

しろねこさんは若い頃、フランスの大学で美術史を専攻し、藤田嗣治の研究を中心に活動してきました。
現地で日本人画家の研究に携わったり、アシスタントとして資料整理や翻訳を任されたりと、学びの場を広げていったといいます。

「フランスでは、美術史を本格的に学ぶ仲間がたくさんいました。そこから大学に進む人や専門家の道を歩む人も多くて、私自身も自然とその流れの中にいましたね。」

帰国後も学びを続ける中で、香川大学の先生やNHK講座とのつながりを経て、やがて講義活動へと広がっていきました。
学びの歩みや人とのご縁が少しずつつながっていった先に、今の講座があるのです。

フランスの街

現在の活動

現在はNHK文化センターの神戸教室と高松市にあるJEUGIAカルチャーセンターで、月に一度の講座を担当しています。
受講生は10〜15人ほど。コロナ禍を経ても続けられ、今年で5年目を迎えました。

授業では、その時々の展覧会や美術のテーマに合わせて内容を組み立てています。たとえばゴッホ展の開催に合わせて「ゴッホの手紙を読みながら作品に映し出された思いを考える」といった講座もありました。
パリの美術館を起点にしていた話題は、今ではポーランド美術やルネサンス、ドイツ宗教画などへと広がり続けています。
地域で美術と出会う場として、しろねこさんの講座は多くの人に親しまれています。

講義の様子

学び続ける姿勢が生み出す輝き

「講座の準備は今でも毎回しっかりやります。最初は原稿を全部書いて臨んでいましたが、少しずつアドリブで話せるようになりました。」

しろねこさんはそう笑います。テーマによっては図書館で資料を集め、数週間前から頭の中で構想を練り、最後の一週間で一気に仕上げるそうです。
年齢を重ねてもなお学び続ける姿勢が、しろねこさんの柔らかさと凛とした佇まいを形づくっているのだと思います。

私はお話を聞きながら、「こうやって学び続けているからこそ、生き生きと輝いて見えるのだな」と感じました。

展覧会とともに広がるテーマ

講座では、時期ごとの展覧会に合わせてテーマを設定することも多いそうです。

「例えば、今年は関西でゴッホの展覧会があるので、ゴッホの手紙を読んで作品と結びつけて考える授業をしています。みんなが実際に展覧会を見に行けるテーマだと盛り上がりますね。」

その柔軟なテーマ設定も、しろねこさんの探究心と学びの深さを物語っています。

オーヴェルの教会
ゴッホ作「オーヴェルの教会」

こちらの《オーヴェルの教会》は実際の教会に忠実でありながら、ゴッホの個性が良く出ている作品であるそうです。

人と語り合うことで広がる美術の魅力

しろねこさんとお話しする中で、私自身も美術に対する見方が大きく変わりました。
正直に言うと、美術についてほとんど無知だった私ですが、ゴッホの手紙や絵の背景を聞くうちに、自然と興味が湧いてきたのです。

本や解説を読むだけではなかなか芽生えなかった好奇心が、人と語り合いながら作品を見ることで一気に広がっていく――その体験はとても新鮮でした。
知識が増えるほど絵は面白くなると実感し、「もっと知りたい」「フランスで実際にその足跡をたどってみたい」とまで思うようになりました。
海外旅行好きの私にとって、美術を知ることは単なる観光ではなく、旅をより深く味わうきっかけになるのだと気づかされました。

まとめ

しろねこさんは、研究と学びを続ける中で自然と人に伝える活動へと広がっていった方です。
年齢を重ねても学ぶことをやめず、生き生きと過ごす姿勢はとても魅力的で、その語りは聞く人の中に新しい好奇心を芽生えさせます。

美術に無知だった私でさえ「もっと知りたい」と思えたのは、しろねこさんが“生きた言葉”で美術を伝えてくださったから。
知識を共有する喜びを体現するその生き方は、きっと多くの人にとって新たな学びのきっかけとなるでしょう。

高校卒業後に丸亀を離れたしろねこさんですが、ふるさとへの思いは今も心の中にあるといいます。
「いつか何らかの形で丸亀にも貢献できれば」と語るしろねこさん。

そして一市民としては、しろねこさんの知識や経験が、いつかふるさと丸亀の美術館や図書館とつながり、地域の人々に新しい学びを届ける日が訪れることを願わずにはいられません。

フランスにて

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