標高422mの『飯野山』を気軽に楽しむ、心温まる登山のカタチ。

香川県観光協会公式サイト - うどん県旅ネットより

執筆者:まるきゅん

讃岐富士

香川県丸亀市を訪れると、どこからでもその姿を望むことができる美しい円錐形の山があります。標高422m、その見事な山容から「讃岐富士」の名で親しまれている「飯野山」です。

車窓から「きれいな山だな」と眺めるだけでも魅力的ですが、実は一歩足を踏み入れてこそ感じられる、素晴らしい体験と温かいふれあいが「飯野山」には詰まっています。

飯野山には3つの登山ルート(飯野町ルート・飯山町ルート・坂出ルート)がありますが、ここでは飯野町ルートを紹介しています。この記事では、2026年7月18日(土)に登山した記録とともに、初めて登る方が安心して歩けるための情報と、飯野山ならではの魅力をお伝えしていきます。

登る前に:飯野山の基本情報

飯野山の最もメジャーな「飯野町(いいのちょう)ルート」は、らせん状(時計回り)にゆったりと登るため、傾斜が緩やかで階段も少なく、小さなお子様からお年寄りまで安心して歩ける入門者向けのコースです。

登山口にある丸亀市野外活動センター

①飯野山(飯野町ルート)の基本情報

  • 往復所要時間: 約120分(片道:健脚者で約30分、初心者・ご家族連れで約60分)
  • 難易度   : ★☆☆☆(初級・入門編)
  • 駐車場   : 弥生の広場(無料・約70台駐車可能)

②お手洗い事情

お手洗いはスタート地点である「丸亀市野外活動センター」の隣にあります。こちらが水洗トイレのある唯一の場所になります。必ず登山を始める前に寄っておきましょう。

野外活動センターの隣にあるトイレ

③服装と水分補給

 動きやすい服装に加え、帽子、歩きやすく滑りにくい靴を着用しましょう。木陰の多い山道ですが、帽子と水分はあった方が無難でしょう。

登山口の野外活動センター前に自動販売機が設置されています。登山道に入ると飲み物は購入できませんので、必ずここで十分に水分を準備してから登り始めましょう。

自分も「山を守る」一人に!『一日一石運動』

飯野山には、登山者自身がこの美しい山を守る活動に参加できる「一日一石運動」というユニークな取り組みが根付いています。 雨風などで登山道が荒れてしまうのを防ぐため、みんなで少しずつ土や石を運び上げて修復する活動で、平成29年(2017年)から継続して行われています。

登山道修復に使われている砕石と看板

【一日一石運動】の簡単な手順

砕石(細かい石)の袋を手にする: 丸亀市野外活動センター近くにある登山口のすぐ前に、「砕石」が置かれています。登山者が持ち歩きやすいよう袋に小分けにされています。無理のない範囲で袋を手に取って出発します。

登山口に置かれている袋に入った「砕石」

登山道を登る: 砕石を持ち、自分のペースでゆっくりと歩みを進めます。

オレンジ色の集積トレーに入れる: 山道のところどころに「オレンジ色の集積トレー」が設置されていますので、運んできた砕石を袋ごとこのトレーに投入します。

三合目に置かれたオレンジ色の集積トレー

運ばれた砕石は後に山道の修復に使用されます。登山をしながら「未来の飯野山を一緒に造る一員」として一役を担うことで、山への愛着がより一層深まります。

すれ違う人と交わす何気ないあいさつ

飯野山の一番の魅力は、道中ですれ違う人々との心温まる語らいや雰囲気です。

らせん状の緩やかな登山道は、地元丸亀の方々にとって大切な日常の散歩コースになっています。登山口から三合目付近までは特になだらかなため、「三合目まで登って降りるのが毎日の健康づくりに丁度ええんや」と和やかに汗を流すおじいちゃんやおばあちゃんの姿が見受けられました。

三合目までの道のり

一方で、市外や県外からの旅行者にとっては「あこがれの讃岐富士」を歩く非日常の冒険です。 「高速道路から見えるあのきれいな山に登ってみたくて、遠方からやってきました」という旅行者など、多様な人々がこの山を訪れます。

パンフレットにも推奨されている通り、山の中で人とすれ違う時には「こんにちは」の挨拶を交わし合います。 ちょっとした挨拶や、ベンチでの席の譲り合い、何気ない言葉のキャッチボール。初めて訪れた人でも、登山仲間として一体感を感じられるような温もりを実感できるのが、飯野山ならではの素晴らしさです。

自然にできた岩のベンチ
飯野山山道
真夏でも木陰が多い山道

登頂と下山後の「小さなお楽しみ」

瀬戸内海や丸亀の美しい景色を木々の隙間から眺めながら登っていくと、標高422mの山頂に到着します。飯野山は山頂よりも合目ごとに見える景色の方が個人的にはおすすめです。登りながら自身の目で景色を楽しみ、ベストビューポイントを見つけてください。

合目ごとに景色の説明の看板も置いてある
2026年7月18日 五合目からの景色

さらに、飯野山には景色以外のお楽しみがあります。登山往復の道中には可愛らしい出会いが待っています。そして、無事に歩ききった後は知っている人だけがゲットできる記念に残るものが用意されています。

① 人懐っこい猫たちとの出会い(猫ボーナス)

飯野山の登山道には猫たちが住みついており、登山者の間で「猫ボーナス」と呼ばれ親しまれています。とても人慣れしており、カメラを向けても逃げることなく、のんびりと寛ぐ猫たちの姿を見かけることができます。登山の疲れをふわっと癒してくれる、嬉しい出会いです。

取材当日、幸運にも4匹の猫たちに出会うことができました。

2026年7月18日の登山の途中で出会った、のんびり寛ぐ猫たち

② 自分で日付を刻む「登頂記念カード」

無事に下山したら、ぜひ「丸亀市野外活動センター」へ立ち寄りましょう。 ここにはセルフ方式の「讃岐富士登頂記念カード」が用意されています。登山パンフレットと一緒に置かれているカードに、自分でその日の日付スタンプをポン!と押すことができます。この日「2026年7月18日」とスタンプを押すと、暑い中を歩き抜いた自分だけの特別な記録となりました。

野外活動センターでもらえるパンフレットと、日付印を押した登頂記念カード

飯野山(飯野町ルート)へのアクセス

登山口の拠点となる地図は下記より確認できます。

登山者用駐車場は弥生の広場を利用します。

  • マイカー: 高松自動車道「坂出IC」から国道11号線を丸亀方面へ約5km(約10分)。
  • コミュニティバス: JR丸亀駅からコミュニティバス(飯野・中津線)で「飯野山登山口」下車、徒歩約20分。
    • ※バス停から野外活動センターまでは急な上り坂が続きます。便数が限られるため事前の時刻表確認を推奨します。

おわりに

車窓から見つめていた、あの美しく整った讃岐富士。 一歩足を踏み入れれば、そこには山を守る優しい活動と、すれ違う人々の温かい笑顔、そして愛らしい出会いが待っています。

ぜひ次の週末は、歩きやすい靴を履いて、丸亀の飯野山へお出かけください。一山登り終えたとき、心も体もすっきりと温かくなっているはずです。

頂上へつながる最後の登山道

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