【家のtama】リライト

おうちで季節のお花を生けたことはありますか?

「お花を生ける」と聞くと、格式が高く、むずかしそうな印象ですよね。

でも、今回「華道 一正流いっせいりゅう」を取材させていただいたことで「もっと気軽にお花を生けていいんだ!」と思うようになりました。

本記事では華道 一正流がどのような流派なのかどのような教室なのかについて詳しく紹介します。

華道 一正流の基本情報

団体名華道 一正流いっせいりゅう
設立年1929年(昭和4年)
所在地丸亀市
連絡先0877-24-8822(丸亀市文化協会)
代表者森山汲甫きゅうほ
会員数7名
活動日・時間個別指導のため、ご相談ください
主な活動場所個別指導のため、ご相談ください
参加費約3,000円/回
(お花代込み)
主催イベント流展
(現在は開催されていません)
参加イベント・まるがめお城まつり協賛市民展
・まるがめ文化芸術祭展覧会
・香川県華道協会展
・香川県華道県展
・高松市茶華道協会主催展覧会(2・6月)※体験教室あり
・宇多津文化祭
お問い合わせ先0877-24-8822(丸亀市文化協会)

日本の伝統文化である生け花を若い方にも知ってもらいたいとの思いから、香川県内の参加イベントでも活動されています。

華道 一正流とは?

華道 一正流は、もともと「未生流みしょうりゅう」から枝分かれしてできた流派です(参考:未生流公式サイト)。

香川県出身の初代家元が「自然を大切に」という志のもとに一正流をつくりました。

流派の特徴は「手を加えすぎないようにすること」です。

季節を象徴する瑞々しいお花や季節を感じとれるものに、植物本来の姿に近いさまを大事にします。

そして、一正流を象徴するのがタコツボを花器として使っている作品です。

こちらは実際のタコツボのレプリカ。小脇に抱えられるかわいらしいサイズです。

海中に沈めて、中にタコが入ったら引き上げる、あの「タコツボ」ですよ。

タコツボを置くときの角度は口の中心が45度以下と決まっており、バランスを保つ技術に驚かされます。

一正流の作品の例

続いて、一正流で生けられた作品をいくつか紹介します。

実際に森山先生のお宅にうかがい、過去の作品を収めたアルバムを見せていただきました。

どれも「自然を大切に」という家元の志を受け継いでいる作品ばかりです。

上の写真にある作品は一つの花だけにしぼったシンプルな作品ですよね。

流れるような動きを感じ取れる作品です。

「雪ん子ちゃん」のようなかわいい作品も。

家のように組んだ藁から出ている花の姿は、タコツボから顔をのぞかせる花と通ずるものがあります。

こちらは香川県華道選抜秀作展で展示されていた作品です。

なんと、縦180cm×横180cmという大作になります。

大きい作品にもなるとお花の軸も長くなるため、扱いに神経を使うそうです。

展示日数が長いと、毎日水を替えに行ったり、お花を替えたりするお世話も大変だとおっしゃっていました。

なお、さきほどお見せしたこちらの写真は、森山先生のお宅で飾られていたものです。

中から「コンニチワ」とかわいらしい顔をのぞかせているお花は、森山先生の庭で実際に咲いていたゼラニウム。

中のお花の角度をタコツボの「45度」に合わせるため、グルグルと丸めた銅線で固定されていました。

また、森山先生のお宅には本物のタコツボもあります。

高さは30〜40cmほど。ずしりとしてかなりの重さなので、運ぶときには神経をとがらせるそうです。

一正流で学ぶもう一つの醍醐味

今回は森山先生だけでなく、生徒の山本さんにもお話をうかがうことができました。

かれこれ20年、森山先生の元へ通ってお花を学んでいるそうです。

「お花だけじゃなくて、先生ともゆったりと向き合い過ごす。この時間が好きなんです」と山本さん。

お花のあとの「おしゃべりタイム」も一正流で学ぶ醍醐味の一つだそう。

「心地いいんですよ」と優しく笑いあう二人の笑顔が印象的でした。

お子様も一正流で学べます

一正流で華道を学べるのは大人だけではありません。幼稚園ぐらいのお子様でも楽しめます

「以前、園児さんたちにお花を教えたとき、自分たちの作品に飛び上がるほど喜んでくれて、その姿がうれしくて今も忘れられません」と森山先生。

お花を生けるときは、お花だけでなく「道具を大事に優しく取り扱うこと」も伝えるそうです。

小さいころに、お花を通して「ものを扱うことの大切さ」も学べるのは貴重ですよね。

そうやって時間をかけ、丁寧に作り上げ、自分の作品ができあがったときは達成感に満ちていることでしょう。

高松市茶華道協会のイベントでは、体験教室もあり、秋には展覧会が開催されます。

お花との時間を作りに行ってみませんか?

最後に

昔の人に比べ、現代人はやることが増え、忙しく毎日を過ごしている気がします。

子どもも大人も、季節をじっくり感じる暇が減ってきたと言えるかもしれません。

お花を生ける時間を作ることは、四季を感じ、自分にゆとりを作る良い機会になるのではないでしょうか。