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近年、IT化が進む中で人とのコミュニケーションの大切さが囁かれるようになっています。
そんな時代に、ボードゲームで皆と遊びながら家族間のふれあいやコミュニティ作りを目指す市民団体があります。
今回は、丸亀市を中心に活動するさぬきファミリーゲーム倶楽部で会長を務める林賢治さんにお話を伺いました。

活動を始めようとした経緯
——この活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。
【林】
元々は、学童などで遊び方が分からないボードゲームが置いてあるというのを聞いて、こちらから遊び方を教えますと連絡をしたのが始まりでした。
私自身ボードゲームが好きで買ったりするのですが、なかなか遊ぶ機会に恵まれないこともあって棚の上に置いてある状態でした。
それなら子供たちのいるところで活用できないかと考え、学童へ遊びに行ったり手持ちのゲームを譲ったりもしていました。
それからは、親子ゲーム会を個人で開催したりと活動を続けていき、2020年からは団体としてさぬきファミリーゲーム倶楽部を立ち上げて、今も仲間たちと協力しながら活動を続けています。
ボードゲームの魅力
——林さんから見たボードゲームの魅力とは何ですか?
【林】
一番大きいのは、事前準備もなくゲームが一つあればすぐに遊べるので、コミュニケーションツールとしてすごく強いという所です。
私たちの活動の一つに、大人の方にも楽しんでもらおうと平日の夜にボードゲームを楽しむ会を定期的に開催しています。
そこに来てくださる方は多種多様で、性格によって得意不得意なゲームもあります。それを考慮しながら、みんなで遊べるゲームを提供して、楽しんでいただいています。
一つの例ですが『ナインタイル』というゲームがあり、九枚のタイルを提示されたお題の通りに並べて遊ぶようになっています。ルールも簡単なので、初めましての方がいたりする時はそういったゲームを勧めたりして皆さんに喜んでもらっています。
また、夏休みになると熱中症対策で外で遊ぶのを控える学童も出てきてしまい、暇を持て余す子供が出てきてしまいます。そういった時に、ボードゲームを持ち込むと非常に喜んでくれて、次はいつ来でくれるのですかっていう話にもなります。
特にクイズをベースにしたゲームは人気が高く、実際に触れて遊べるのがデジタルにはないところなので、皆さん珍しくて遊んでくれていると思います。
その他の活動
——他にも、活動されていることはありますか?
【林】
活動の一つとして、ボードゲームの製作があります。
以前から、自分たちでもボードゲームを作ってみたいという気持ちと、地元で何かやってみたいという気持ちはあありました。
そのことを市の担当の人に相談をしたら面白いと言って受け入れてくれて、これを提案型共同事業でプレゼンしてみてはどうかという方向で話が進みました。
企画を進めていく中で丸亀城をテーマにしようと考えていた時に、台風で石垣が崩れて整備をするというニュースを聞いて、それをゲームに落とし込んだのが『ISHIGAKI』というゲームになります。

(画像引用元:さぬきファミリーゲーム倶楽部)
石を1箇所に集めて石垣というブロックを作り、それを中央に置くことで得点のカードをもらって点数を競うゲームになっています。
製作の途中でコロナが流行してしまい、テストプレイの回数が少なくブラッシュアップが難しかったことや、関係者間でのやり取りをするのも大変でしたが、作ったものは全てふるさと納税などで頒布しきることが出来ました。
また、市内の小学校などにも置かせていただいています。
今後は、丸亀城の売店とかに置かせてもらうことで、一つの宣伝として知ってもらえたらなと考えています。
これからの活動について
——今後の活動について何か決まっていることなどはありますか?
現在、私以外に三人のメンバーがいて、住職の方とスコーン店を経営している方など様々な職種の人が協力してくれています。
それぞれでゲーム会を開いたり遊ぶ場所を提供をしてくれたりと、基本的には個々人で活動をしています。
しかし、人手が必要な時や大きなイベントの時などは集まってお互いに知恵を出し合ったりしています。
今後も、お互いに協力しながら丸亀市を中心に頑張っていきたいです。
まとめ
今回は「さぬきファミリーゲーム倶楽部」の会長林賢治さんにお話を伺いました。
スマホの普及によってIT化が加速していく中で、皆で集まって実際に触れて楽しむボードゲームの体験は貴重なものになっていきそうです。
これからの活躍を応援しております。