将棋を通じて未来を育てる
日本将棋連盟 亀城支部 大西支部長にインタビューを行いました。将棋という伝統文化が持つ深い魅力と、丸亀市での活動を通じて大西支部長が大切にしている思いを伺いました。そのインタビューから、大西支部長の将棋に対するお考えや活動内容をまとめました。
・将棋は脳を育てるツールである。
亀城支部で長年子供たちを指導して、特に理数系の能力が高まる子供たち が多いことに気づき、保護者に向けてアピールしています。日本将棋連盟が提供する無料冊子にも、「将棋は脳を育てる」として、棋士の羽生善治さんと脳科学者の茂木健一郎さんとの対談が収められています。
・子供たちの成長と藤井聡太効果
藤井聡太さんがデビューした頃には多くの子供が入門しましたが、コロナ禍で参加者は減少しました。それでも、大西支部長は「徐々に回復してきている」と前向きです。現在は小学4年生が多く、全学年が入り交じって対戦する場面が見られます。2年生が6年生に勝つこともあり、将棋の世界では年齢を超えた交流が日常です。
・将棋の教養と漢字文化
将棋を通じて身につくのは、戦略や集中力だけではありません。大西支部長は、将棋の駒に刻まれた漢字の読み書きが、幼少期からの学習に役立つと語ります。さらに、漢字文化の素晴らしさを力説し、将棋が持つ深い教養と日本の伝統的な価値観を伝えようとしています。
・失敗から学び、成長する
大西支部長が繰り返し強調するのは「負けて強くなる」という考え方です。藤井聡太さんも子供の頃、全国大会で敗れた悔しさから泣いた経験がありますが、それをバネにして成長しました。将棋は相手のミスを咎めて勝つゲームですが、その過程で学ぶことが多いのです。将棋では「感想戦」という、試合後にお互いの手を振り返る機会があり、ここでミスを反省し次に活かすことが重要なのです。
・将棋の未来とAI
インタビューの後半では、AI(人工知能)との関係性について話が及びました。今やプロ棋士もAIを使って研究をしていますが、大西支部長は、AIが将棋界において人間を超えた存在になった現状を冷静に見つめています。 ただ、将棋は人間同士の対話でもあるため、AIに完全に取って代わられることはないと信じています。
・亀城支部の役割と未来
最後に、大西支部長は亀城支部の活動について、地域の大切な場であることに加えて「将棋は、年齢や世代を超えて楽しめるゲーム。将棋を通じて子供たちに教養や集中力を育て、一緒に元気になりましょう」とおっしゃいました。指導者不足という課題があり、定年退職された方や地域の大人たちにも参加を呼びかけ、将棋を通じて新しい世代の成長を支えていきたいとのことです。
亀城支部の活動は、将棋を通して子供たちの成長をサポートする場としてこれからも続けられていきます。大西支部長の熱い思いを胸に、多くの方が将棋の楽しさに触れる機会が広がっていくことを期待しています。