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あなたは、自分の気持ちを本当に「分かってもらえた」と感じた瞬間はありますか?
先日、プレイバックシアター劇団365との出会いがありました(インタビュー記事はこちら)
その中で耳にした「プレイバックシアターは共感を体感できる場」という言葉が忘れられず、私は体験会へ。
そこで見たのは、言葉にしきれない感情が舞台で表現され、観客と共有されるーーただの演劇鑑賞ではなく、喜びや震えを伴う「心で感じる時間」でした。
劇団365の体験した話とその魅力を、この記事でお届けします。
もくじ
プレイバックシアターとは?
プレイバックシアターとは、「観客の誰かが語り手となり、その人の話をもとに役者が即興で劇をする」演劇手法です。

- コンダクター(司会進行、話を聞き出す人)が、観客からテラー(自分の体験を語る人)を募集する
- その場でコンダクターがテラーにインタビューし、アクター(役者)や観客とストーリーを共有する
- そのインタビューにもとづいて、アクターたちが即興で劇にする
プレイバックシアターの目的はお互いの話を聞くこと。
語り手の話は「善悪」「評価」などジャッジされることはないので、安心して自由に語れる場とされています。
プレイバックシアター劇団365
丸亀市を拠点としてプレイバックシアターを通して「人々の心が軽くなる」場所を目指し活動されている劇団です。

丸亀市市民交流活動センター「マルタス」で毎月第3水曜日夜にワークショップを開催(参加は無料、予約も不要)。
さらに、自主公演や岡山でも活動の広がりをみせ、人々の心の灯火として地域に根付き始めています。(劇団365公式ページ)
体験レポート
ここからは、プレイバックシアターの様子や体感したことを紹介します。
ウォームアップ
最初に簡単な自己紹介をした後、みんなでいくつかゲームをしました。(懐かしの竹の子ニョッキ、推測ゲームなど)

初見の場で恥ずかしい、知らない人の中で気まずいなと感じていましたが、ゲームをするうちに不安が解消されていきました。
観客として観たとき
そして、ブレイバックシアター本番。
最初は観客の一人として他の参加者の物語に耳を傾けていました。
普段なら「そういうことがあったんですね」と線を引いて聞き流してしまうことも、即興劇として演じられると、語られた出来事や感情が波のように押し寄せてきて・・・

その瞬間「そうだったんだね」と心からその物語に共感できたんです!
役者の表情や動き、声のトーン、それらに楽器も重なり、会場は一体感に包まれていました。

それに揺さぶられた私は、やがて「自分の物語も語りたい」という衝動に駆られていきました。
テラー(語り手)になったとき
当初は個人的な話はしないと決めていた私。
コンダクターが私自身の心の奥側にゆっくりと触れる感覚がありーー実際に語ったのは本音でした。
舞台で劇団員全員が耳を傾けてくれたこと、うんうんと頷いてくれる観客の眼差しに、安心して話せると肌で感じたからでした。
そして即興劇が始まるとーー自分を俯瞰して見ているような感覚に。

自分の拙い語りでも私の気持ちをすくいとって表現してくれたとき、全身に感動が駆け巡りました。
同時に、当事者(ここでは私)以外の目線で見ている自分もいました。

”大切な仲間がこうして私を支えてきてくれたんだな” という気づきももたらしてくれました。
舞台を通していろいろな感情が全身に伝わり、グッと胸が熱くなるのを感じました。
体験後の気づきと変化
体験を終えた後、他の参加者の方々の表情にある変化があることに気がつきました。
笑顔が増えている!「すっきりした」と思わず安堵する人も。
私も、当初の不安は消え、もっと観たい!他の語り手の話を聞きたい!と物足りなさを覚えるほど。

こうした心境の変化を感じられたのは、一人ひとりが胸に秘めた思いを解き放ち、それを会場にいる全員で共有する、特別な空間だったからではないでしょうか。
まとめ
今回の体験を通して、私は改めてプレイバックシアターとは何かを理解しました。
・言葉にならない思いをすくい上げ、即興劇として表現することで、観客や語り手の心を解放していく演劇。
・そこで生まれるのは、言葉を超えたレベルで「伝わる喜び」と「理解される安心感」。
まさに、言葉では説明しきれない「真の共感」を体感できる場でした。
「どんな些細な話でも力がある」と信じる劇団365は、あなたに寄り添ってくれます。
興味のある方は、ぜひ体験会(詳細・申し込みは公式ページより)に足を運んでみてください。